まさに「世にも奇妙な物語」的な展開の本でした。短編が5つあり、すべてバラバラの話かと思いきや、5つ目で予想外の繋がり方。
過去にトラウマのある若い女性、幼稚園教諭の男性とクレームをつける母親たち、自分の仕事に誇りをもつ子持ちの既婚女性など、物語の主人公の性別や年代は様々で、悩みや葛藤が、とてもリアルに感じられた。
展開はとても予想外のものばかり。「きっとこうなるのでは?」と予想しながら読んでいたら「そっち!?」と思わぬ方向にいくので、面白かった。
人って怖い…と読みながら何度か思った。これは時間を置いてまた読み返したくなる。
↓以下ざっくりのあらすじ
1話
過去に男に教われた経験のあるフリーライターの女性。お酒に酔い潰れたさいに偶然助けてくれた人が、シェアハウスに住む人だった。ちょうどシェアハウスの記事を書く仕事を請け負っていたため、ライターであることを隠して、取材のためにシェアハウスに住む人たちと関わるようになる。住んでいるのは、性別も年代もバラバラの人たちだった。シェアハウスで、彼らは何をシェアしているのか?彼女が辿り着いた答えは…。
2話
どれだけ「リア充」なのかを評価する裁判が施行された世界で、自分を曲げず、リア充とは反対の生き方をする主人公。裁判に召集された彼女に下される判決はどうなるのか。
3話
舞台は幼稚園。幼稚園教諭の男性主人公は、窓から見える園の二宮金次郎の像を眺める。その像は、保護者からのクレームで、座った姿に変えられている。頭を悩ませているのは、今度の運動会のこと。子供たち、先輩の教諭、保護者と接しながら、葛藤していく。
4話
ニュース配信サイトを運営する会社に勤める主人公。仕事に誇りを持ち、母親の仕事に興味をもつかわいい息子、子育てに協力的な夫と暮らしているが、最近夫が浮気しているような気がしている。そこにタイミングよく現れたのは、同僚で、過去に付き合っていた男。久々の旦那以外の男に、わずかにときめく。そんな母親の気持ちを知ってか知らずか、今度の授業参観に絶対来てねという息子。午後に休みをもらい、駆けつける。
5話目は、全ての話を読んでから知る方が面白い気がするので、割愛します。
次は何を読もうかな、たのしみです。
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